武士の家計簿を読む

以前図書館で借りて読んだ「武士の家計簿」を購入し、あまりの面白さに一晩で読破する。著者は磯田道史さん(茨木大准教授)。

この12月に映画化されるこの物語は加賀藩(今の石川・富山)御算用場に勤務する御算用者である猪山家の生活、経済破綻、経済再建、出世など現在の私達が直面する問題をすべて経験していた下級武士の話だ。猪山家は実に36年間に渡り家計簿を付けていた。これにより武士の生活を今日解明することが出来たのだ。

加賀藩は和算が盛んな土地で、西洋に匹敵する数学の本場であった。江戸時代すでに三角関数の数表を作り、公式の解明を進めていたとのこと。私は数学が嫌いなので尊敬してしまう。


武士の家計簿を読む

猪山家は数代に渡り刻苦勉励、精勤に励み9代成之は明治維新の時に加賀藩兵の兵站事務に従事し、帝国陸軍創業者である大村益次郎の目に留まり、新政府の兵站事務(主計)になり海軍の主計官に出世する。

なぜ明治維新時に簡単に武士の特権が廃止することが出来たのか、この本を読むと理解できる。理由は①武士の身分費用が身分利益を凌駕し、経済的に割に合わず武士階級が疲弊していた。借金地獄だった。②知行制度が骨抜きになり、封建制度が事実上崩壊していたこと=武士は知行地を見たことが無い!

以上2点がその理由であると書いてある。いやほんと面白い本だ。



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Posted by マツケン at 23:35│Comments(0)読書
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